青白い朝の光がうっすら差し込む冬の夜明け。
ほわほわした雲につつまれるような温かさの中で眠っていた岩城は、頸にかかる息苦しさにふと目を覚ました。
(・・・・・・・?)
自分の下で眠る香藤の腕がずれて、頭から首へといつのまにか移動していたらしい。ちなみに香藤の左腕は岩城の腰にがっちりからまっていて、動けない。
(まるで親鳥が雛鳥を抱え込んでいるみたいだな・・・・・・・)
恋人たちの甘い眠りをむさぼる香藤を起こさないように、岩城はそうっと香藤の腕を自分の肩へとずらしながら、くくっと喉のおくで笑った。
(聖母のようだと言われたときは、どうしてくれよう、と思ったが・・・・・。こうして俺を抱いて眠るお前のほうが、よっぽど母親みたいじゃないか)
岩城は物心ついた時からずっと、12畳ほどの自室でひとり、寝起きしていた。
それをとくに寂しいとか悲しいとか思ったことはなかったが・・・・・・・。
(・・・・・・・知らなかったな)
こんな暖かさは。
耳を澄ませば静寂に香藤の規則正しい鼓動がひびく。
暖かく、優しく、不思議と懐かしい、ぬくもり。
(これが肉親のぬくもり、というものなのだろうか・・・・・・?)
そう思うとくすぐたいやら照れくさいやらで、ますます笑みこぼれてしまう。
「・・・・・・ん?」
笑いをこらえる振動が伝わってしまったのだろうか、香藤の穏やかな寝息がふっと乱れた。
岩城がなだめる様に、甘えるように香藤の胸に頬をよせると、香藤は冬の寒さから守るように、ぎゅっと岩城を抱きしめた。
ほわほわした雲につつまれるような温かさの中で眠っていた岩城は、頸にかかる息苦しさにふと目を覚ました。
(・・・・・・・?)
自分の下で眠る香藤の腕がずれて、頭から首へといつのまにか移動していたらしい。ちなみに香藤の左腕は岩城の腰にがっちりからまっていて、動けない。
(まるで親鳥が雛鳥を抱え込んでいるみたいだな・・・・・・・)
恋人たちの甘い眠りをむさぼる香藤を起こさないように、岩城はそうっと香藤の腕を自分の肩へとずらしながら、くくっと喉のおくで笑った。
(聖母のようだと言われたときは、どうしてくれよう、と思ったが・・・・・。こうして俺を抱いて眠るお前のほうが、よっぽど母親みたいじゃないか)
岩城は物心ついた時からずっと、12畳ほどの自室でひとり、寝起きしていた。
それをとくに寂しいとか悲しいとか思ったことはなかったが・・・・・・・。
(・・・・・・・知らなかったな)
こんな暖かさは。
耳を澄ませば静寂に香藤の規則正しい鼓動がひびく。
暖かく、優しく、不思議と懐かしい、ぬくもり。
(これが肉親のぬくもり、というものなのだろうか・・・・・・?)
そう思うとくすぐたいやら照れくさいやらで、ますます笑みこぼれてしまう。
「・・・・・・ん?」
笑いをこらえる振動が伝わってしまったのだろうか、香藤の穏やかな寝息がふっと乱れた。
岩城がなだめる様に、甘えるように香藤の胸に頬をよせると、香藤は冬の寒さから守るように、ぎゅっと岩城を抱きしめた。
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- 春抱きSS